写真の寿命はどんな考え方で求めているのか?
具体的にどんな仕組みで 『写真寿命60年』 って言ってるのか調べてみましょう。
<寿命推測>
屋内耐光性(年)
=積算照度(klx・hr)÷ [ 0.250(klx)×12(hr)×365(day/year) ]
JAITA CP-3901A より。
参考:EPSONのページ( ÷の後に[ ]が抜けている誤記があります。)
http://www.epson.jp/products/largeprinter/note/taikousei.htm
この考え方(式の意味するところ)は、以下の劣化メカニズムを仮定している。
【 仮説1:写真の劣化は、そこに照射される 光量 [ ルックス lx ] と 照射される 時間 の積(かけ算)で決まる。】
具体的には、
・写真が置かれる場所の照度は 250ルックスである。
・1日の照射時間は 12時間である。
・1年は、365日である。
ちなみに、実際には、どんなに光量を強くしても、60年なんていう寿命評価はとんでも無い時間がかかるので、
実験時の環境温度をわざと上げて、加速試験を行う。
同じ 積算光量(ルックスx時間)でも、評価時の環境温度が高いと劣化が加速される。
ここで、更に仮説を使う。
【 仮説2:劣化モードは、絶対温度の逆数(1/K)にて対数座標にプロットした時に、直線的に乗る。
】
これがいわゆる、加速試験の原理ですね。「アレニウス(Arrhenius)プロット」というグラフを作り、求める。
・・・
□アレニウス(Arrhenius )プロット 実例。
つまり、「228日間」 光を照射した実験結果を根拠にして、
「60年寿命」と売り文句を言うことにするわけだね。
たった、1年弱の実験結果を根拠にして、60年先のことを言っているってわけ。
おまけ)