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mottainaiDTP: Word文書の体裁(ルビ・文字飾り・脚注など)をInDesignに反映する

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DTP作業者にとっての難易度 ★☆☆☆☆(2) Wordでは文字列に対して「太字」や「下線」などの文字飾り、蛍光ペン、文字色、ルビ、脚注などさまざまな設定を行うことができます。しかし、そのWordファイルをInDesignに読み込むだけ(「読み込みオプション」で「テキストと表のスタイルおよびフォーマットを保持」して読み込む)では設定をレイアウトに正しく反映できないこともあります。問題を回避するために私は以下の2ステップの作業をおこなっています。 ①Wordで各設定をタグなどの文字列に置き換える(マクロで処理) <a href="http://mottainaidtp.up.seesaa.net/image/0614_w.png" target="_blank"><img border="0" alt="0614_w.png" src="http://mottainaidtp.up.seesaa.net/image/0614_w-thumbnail2.png" width="530" height="280"></a> ②InDesignに読み込んだ後、タグなどをInDesignの設定に置き換える(検索/置換やスクリプトで処理) <a href="http://mottainaidtp.up.seesaa.net/image/0614_i.png" target="_blank"><img border="0" alt="0614_i.png" src="http://mottainaidtp.up.seesaa.net/image/0614_i-thumbnail2.png" width="530" height="256"></a> これまで当ブログでは少しずつこれらの作業に関する情報を掲載してきました。 ・ルビをJavaScriptで処理する (http://mottainaidtp.seesaa.net/article/360652630.html) ・Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する (http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html) ・Wordの脚注・文末脚注をInDesignに反映する (http://mottainaidtp.seesaa.net/article/456718640.html) これらを使うことで仕事がずいぶん楽になりました。しかし処理の方法や手順を間違えると書式が正しく反映できなかったり文字が欠落してしまったりすることもあります。そこで今回は一連の作業を整理することにしました。また、不足していた「Wordでルビ設定を解除(文字列で表現する状態に加工)するマクロ」も公開します(最下部・サンプルデータに収録)。 Word側での作業 まずはWord側で各設定をタグなどの文字列に置き換えます。※ここに示したのは私のマクロやスクリプトなどを使用した場合の手順です。他の方法で処理されるのであれば順番が異なる可能性もあります。※必ずWord文書ファイルのバックアップをとった上で作業しましょう。 作業A-1: ルビを解除して文字列化する ルビを解除して「〓楽譜《がくふ》」のような体裁の文字列に展開します。マクロは本ページ(下部にリンクを掲載)よりダウンロードしてください。 <a href="https://www.youtube.com/watch?v=Bo70MXaF_G8&amp;external_video_config=width%3D480%26height%3D320">A01 ルビを解除する</a> ※環境によってマクロ実行中に「この操作を元に戻すことはできません。継続しますか?」というアラートが表示されることがありますがそのまま実行してください。※何らかのトラブルでフィールドコード(「{EQ ¥*jc2〜}」「{QUOTE" = 〜"}}」など)が表示されたままになった場合「B_999_フィールドコードを隠す」のマクロを実行してください。非表示の状態になります。※マクロはMac版Word用に作成しています。「\」を「&yen;」に置き換えることでWindowsでも使用できると思いますが試しておりません。 作業A-2: 文字飾り、文字色、蛍光ペン、傍点部分にタグをつける 文字飾り(太字、斜体、下線、打ち消し線、上付き、下付き)や文字色、蛍光ペン、傍点が設定された箇所をタグで囲みます。このマクロは『Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html)でダウンロード可能です。 <a href="https://www.youtube.com/watch?v=T67BCVaNixE&amp;external_video_config=width%3D480%26height%3D320">A02 文字飾りなどにタグ</a> ※文字色については『Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html)でも述べたように「標準の色」のみに対応しています。※蛍光ペンについては『Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html)でも述べたようにdocx形式(およびdocm形式)のファイルでは一部の色をタグ化できません。 作業A-3: 脚注、文末脚注を解除して本文に組み込む 脚注および文末脚注を解除して「〔◆◆1〓脚注です。◇◇〕」などの文字列に展開します。 このマクロはWordの脚注・文末脚注をInDesignに反映する(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/456718640.html)でダウンロード可能です。 <a href="https://www.youtube.com/watch?v=bPDAXoDS35M&amp;external_video_config=width%3D480%26height%3D320">A03 脚注、文末脚注を解除する</a> ※上記ダウンロード先ページにも書いたように作業の前に「表の直後に改行記号を挿入する」という作業もおこなっておくと良いでしょう。 InDesign側での作業 InDesign側ではテキストを読み込んだ後、Wordとは反対の手順で作業をおこないます。 作業B-1: 脚注、文末脚注を処理する 「〔◆◆1〓脚注です。◇◇〕」などの文字列を脚注、文末脚注に組み立てます。 このスクリプトは『Wordの脚注・文末脚注をInDesignに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/456718640.html)でダウンロード可能です。 <a href="https://www.youtube.com/watch?v=oC7ppx_jLTE&amp;external_video_config=width%3D480%26height%3D320">B01 脚注、文末脚注を処理する</a> 作業B-2: 文字飾り、文字色、蛍光ペン、傍点を処理する 検索/置換でタグ部分に書式を適用し、タグは削除します。 このスクリプトは『Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html)でダウンロード可能です。 <a href="https://www.youtube.com/watch?v=Os81sAk1E1I&amp;external_video_config=width%3D480%26height%3D320">B02 文字飾りなどを処理する</a> <a href="https://www.youtube.com/watch?v=T-rFbVYuhD0&amp;external_video_config=width%3D480%26height%3D320">B02 2 タグは最後に削除</a> ※検索/置換クエリを一度に実行するには市川せうぞーさんの「<a href="http://d.hatena.ne.jp/seuzo/20090518/1242630850" target="_blank">run_Queries 0.3</a>」や当ブログの「<a href="http://mottainaidtp.seesaa.net/article/462789209.html" target="_blank">フォルダ内のGREPクエリをスクリプトで一括実行する</a>を使用します。 作業B-3: ルビを処理する 「〓楽譜《がくふ》」などの文字列を親文字+ルビ文字に組み立てます。 このスクリプトは『ルビをJavaScriptで処理する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/360652630.html)でダウンロード可能です。 <a href="https://www.youtube.com/watch?v=GM3IMWzmtFQ&amp;external_video_config=width%3D480%26height%3D320">B03 ルビを処理する</a> マクロ、スクリプトを使う中では思わぬエラーが生じる可能性もあります。充分にテストをした上でご使用ください。また、作業の前には必ずバックアップをとっておきましょう。 作業A-1用サンプルデータはこちら《<a href="http://mottainaidtp.up.seesaa.net/image/minimum_ruby_20190615b.zip">minimum_ruby_20190615b.zip</a>》です。その他のサンプルデータについては以下の各ページよりダウンロードしてください。 ・ルビをJavaScriptで処理する (http://mottainaidtp.seesaa.net/article/360652630.html) ・Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する (http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html) ・Wordの脚注・文末脚注をInDesignに反映する (http://mottainaidtp.seesaa.net/article/456718640.html)<a></a>
DTP作業者にとっての難易度 ★☆☆☆☆(2)

Wordでは文字列に対して「太字」や「下線」などの文字飾り、蛍光ペン、文字色、ルビ、脚注などさまざまな設定を行うことができます。しかし、そのWordファイルをInDesignに読み込むだけ(「読み込みオプション」で「テキストと表のスタイルおよびフォーマットを保持」して読み込む)では設定をレイアウトに正しく反映できないこともあります。問題を回避するために私は以下の2ステップの作業をおこなっています。

①Wordで各設定をタグなどの文字列に置き換える(マクロで処理)
0614_w.png

②InDesignに読み込んだ後、タグなどをInDesignの設定に置き換える(検索/置換やスクリプトで処理)
0614_i.png

これまで当ブログでは少しずつこれらの作業に関する情報を掲載してきました。
・ルビをJavaScriptで処理する
http://mottainaidtp.seesaa.net/article/360652630.html
・Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する
http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html
・Wordの脚注・文末脚注をInDesignに反映する
http://mottainaidtp.seesaa.net/article/456718640.html

これらを使うことで仕事がずいぶん楽になりました。しかし処理の方法や手順を間違えると書式が正しく反映できなかったり文字が欠落してしまったりすることもあります。そこで今回は一連の作業を整理することにしました。また、不足していた「Wordでルビ設定を解除(文字列で表現する状態に加工)するマクロ」も公開します(最下部・サンプルデータに収録)。

Word側での作業


まずはWord側で各設定をタグなどの文字列に置き換えます。

※ここに示したのは私のマクロやスクリプトなどを使用した場合の手順です。他の方法で処理されるのであれば順番が異なる可能性もあります。

※必ずWord文書ファイルのバックアップをとった上で作業しましょう。


作業A-1: ルビを解除して文字列化する


ルビを解除して「〓楽譜《がくふ》」のような体裁の文字列に展開します。マクロは本ページ(下部にリンクを掲載)よりダウンロードしてください。



※環境によってマクロ実行中に「この操作を元に戻すことはできません。継続しますか?」というアラートが表示されることがありますがそのまま実行してください。

※何らかのトラブルでフィールドコード(「{EQ ¥*jc2〜}」「{QUOTE" = 〜"}}」など)が表示されたままになった場合「B_999_フィールドコードを隠す」のマクロを実行してください。非表示の状態になります。

※マクロはMac版Word用に作成しています。「\」を「¥」に置き換えることでWindowsでも使用できると思いますが試しておりません。


作業A-2: 文字飾り、文字色、蛍光ペン、傍点部分にタグをつける


文字飾り(太字、斜体、下線、打ち消し線、上付き、下付き)や文字色、蛍光ペン、傍点が設定された箇所をタグで囲みます。このマクロは『Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html)でダウンロード可能です。



※文字色については『Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html)でも述べたように「標準の色」のみに対応しています。

※蛍光ペンについては『Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html)でも述べたようにdocx形式(およびdocm形式)のファイルでは一部の色をタグ化できません。


作業A-3: 脚注、文末脚注を解除して本文に組み込む


脚注および文末脚注を解除して「〔◆◆1〓脚注です。◇◇〕」などの文字列に展開します。
このマクロはWordの脚注・文末脚注をInDesignに反映する(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/456718640.html)でダウンロード可能です。



※上記ダウンロード先ページにも書いたように作業の前に「表の直後に改行記号を挿入する」という作業もおこなっておくと良いでしょう。



InDesign側での作業


InDesign側ではテキストを読み込んだ後、Wordとは反対の手順で作業をおこないます。

作業B-1: 脚注、文末脚注を処理する


「〔◆◆1〓脚注です。◇◇〕」などの文字列を脚注、文末脚注に組み立てます。
このスクリプトは『Wordの脚注・文末脚注をInDesignに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/456718640.html)でダウンロード可能です。



作業B-2: 文字飾り、文字色、蛍光ペン、傍点を処理する


検索/置換でタグ部分に書式を適用し、タグは削除します。
このスクリプトは『Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html)でダウンロード可能です。





※検索/置換クエリを一度に実行するには市川せうぞーさんの「run_Queries 0.3」や当ブログの「フォルダ内のGREPクエリをスクリプトで一括実行するを使用します。


作業B-3: ルビを処理する


「〓楽譜《がくふ》」などの文字列を親文字+ルビ文字に組み立てます。
このスクリプトは『ルビをJavaScriptで処理する』(http://mottainaidtp.seesaa.net/article/360652630.html)でダウンロード可能です。



マクロ、スクリプトを使う中では思わぬエラーが生じる可能性もあります。充分にテストをした上でご使用ください。また、作業の前には必ずバックアップをとっておきましょう。
作業A-1用サンプルデータはこちら《minimum_ruby_20190615b.zip》です。
その他のサンプルデータについては以下の各ページよりダウンロードしてください。
・ルビをJavaScriptで処理する
http://mottainaidtp.seesaa.net/article/360652630.html
・Wordの文字飾り・文字色・蛍光ペンをInDesignの文字スタイルに反映する
http://mottainaidtp.seesaa.net/article/443674715.html
・Wordの脚注・文末脚注をInDesignに反映する
http://mottainaidtp.seesaa.net/article/456718640.html

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