解説 ガンマってなに?
放射線治療のガンマナイフのガンマ線ではなくて、コンピュータの色再現に関連する、ディスプレイガンマのことです。
殴り書きですが、久々に過去に書いた記事のまとめを書きました。
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1.ガンマについて
以下のpdfの 3-3-2. ガンマ変換をご覧下さい。
初期のディスプレイCRTは真空管(3極管)でした。
3極管の特性として、グリッド極の制御電圧値に対して、
流れる電流値
(グリッドメッシュを通り抜けて、高電圧をかけた、
蛍光体が塗布されているターゲット電極に辿り着く電子の量)
のグラフを片(縦軸)対数表示すると直線になる。
そこで、その直線の傾きをガンマとして定義した。
式では、y=x^(γ)で定義された。
という技術史から来ています。
現在のディスプレイは、デジカメも含めて、sRGBが標準となっていて、
ガンマ値で表すと、約2.2です。
詳細は、下記blogご覧下さい。
「sRGBのガンマは2.2」ってのは本当?
2009年11月24日 (火)
より詳細には、このガンマ特性とは、
肉眼の特性がこれに近い(ガンマで表現すると2.2〜2.6くらい)ため、TV放送時代の電波リソース(周波数帯)の節約の設計から来ていると思われます(ここは一ノ瀬の推定)。
L*のガンマ
2010年9月20日 (月)
つまり、肉眼をごまかせるように、受像器(TV)の
ガンマ特性の設計をした、と考えられます。
ちなみに、アナログ放送時代の放送規格(日米ではNTSC)は、ガンマ2.2でした。
デジカメも、スキャナも現在もこの流れに従属しています。
理論上は、ビット数を16bitにして、
デジカメもイメージスキャナも、ディスプレイも全て、
ガンマを1.0にして、後は、ICCプロファイルで変換して、
正しい色をコミュニケーションする、という設計があり得るはずですが、
既に、デファクトスタンダードとしてデジタル画像の世界が出来上がっていることと、
先ほどの、肉眼の特性起因の画像情報リソース節約のコストパフォーマンスから、
従来通りの慣習を踏襲しているものと推定されます。
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以上